第7週 意地の上にも三年 第41回
物語はクライマックスに向け、静かに動いている。
草若さんなんて、ただ散歩に行って帰ってくるだけで、一言も話さないしナレーションも入らない。
でも、草々の稽古する「愛宕山」を聞いて、いつの間にか思い出している3年前の一門会の日のこと…、というのが草若の意識の流れとして直接的に語られてはいないけれども、同時進行で菊枝さんの告白があって、上手くシンクロさせているのです。
散歩から帰ると、「小草若」の名を書き足したポスターに目を凝らす草若。
ドラマとして分かりやすいアクション(行動、演技)が無くても、草若の心の揺れが小さなカットの積み重ねで丁寧に伝わってくる。
さて、はっきり動いている場面はというと…。
妻の病という理由で舞台に穴を開けた父の真実に、「芸人は身内の不幸を笑いにかえなあかん」と啖呵をきる息子。
母を悲しませるような理由ではなかったと知ったとたん、安心して息子という立場から、同じ仕事に生きるプロという立場に小草若ちゃんはシフトするんですよね。
そして、小草若ちゃんは劇的な一門復帰をするのですが、草原さんに「愛宕山」をやれ、と難題をふっかけられる。
自分の出来なさ加減を知っている小草若ちゃんのうなだれた様子を見ると、草原さんが「鬼」に見えましたw
やる気さえだせば出来る子や、と草原さんは信じて、厳しく接しているのでしょうが、草原さん、あなたの師匠とその息子は親子揃ってプレッシャーに弱いことを忘れていませんか?