第3週 エビチリも積もれば山となる 第16回
糸子、来襲。草若師匠、死んだふり。
前回「不思議の国のアリス」と自分で書いて、このあたりの流れがすとーんと心に落ちました。
初めて放送中に見たときは、この人たち何なんだ、とひいてしまったんですが、そのときは私が喜代美の目線に同化してしまっていたようです。
改めて見直すと、喜代美がアリスだとしたら、彼女がたどり着いた大阪はワンダーランドだったのだ。
だから、おかしな人ばかりいて、おかしな事ばかり起こります。
少々毒はあるけど、本当に危険な目にあうわけではない。
小浜にいたときや清海といたときの喜代美はできる、できない、言いかえれば主役、脇役の二極化の世界で生きていました。
でも、ワンダーランド(大阪)では、おもろいか、おもろないか、なんです。
そんな価値観のギャップを飛び越えて、喜代美がワンダーランドの住民になるのが、この長い「ちりとてちん」という物語でありました。