第6週 蛙の子は帰る 第33回
四草、男前やなあ、しゅっとしていて、このころは…。
カッコつけて、クールな振りをして、突っ張っていて、悪ぶっていて、言い換えると「ええカッコしい」の四草なので、草々みたいな直球男とは「水と油」の関係ですよね。
どちらのタイプも女性には好かれるのでしょうね、実のところは。
四草は「ええカッコしい」やけど、ホントはシャイないい人。
草々は「いつも一生懸命」なところが、なんとかしてあげたくなる人。
このころの草若師匠のかたくなな態度はものすごく四草的なんだけど、草々はそれを正面から発破をかけて砕いてしまおうとするから、師匠はますます引っ込んでしまうのが切なくて。
草々が内弟子部屋の壁の穴から喜代美に向かって手を伸ばし、愛宕山のテープを借りるところは、震えた手が何かに縋り付こうとしているようだった。
ここで「聞かせてよ愛の言葉を」が流れるのですね。
Je t'aime...と聞こえたら、私は不意に目が潤んでしまいました。
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その後、草々は草原さんの家に居候しに行くのですが、その草原邸が大阪市内下町にどこでも見られるような若い夫婦と小さな子供の家族が暮らす一戸建て。
賃貸アパート暮らしから、30年ローンを組んでやっと手に入れた初めてのマイホームって感じ。
子育て中心の生活感があふれまくりのインテリアだけど、和室には年季の入ったタンスが一棹ありました。
そこに草原夫妻の捨てきれない思いが見えるような気が、私にはします。