第6週 蛙の子は帰る 第34回
朝の忙しいときに見るドラマだからナレーションを多用して、ながら見できるようになっているのが朝ドラだと思っていましたが、そんなこと言ってられないですよね。
「ちりとてちん」のナレーションは主人公の喜代美が若かりし日々を振り返るという視点で語られているので、喜代美が知らない(居合わせない)出来事を描くシーンではナレーションが入りません。
(後になって知りました、とナレーションが入る例外はありますが)
だから、この回の草原宅でのシーンは舞台を見るようでした。
直接会話を交わすのは草原さんと草々だけど、台詞なしで黙って聞いているだけの緑さんの様子で落語家をやめたあとの草原さんの、生活は安定しているけれどこれでいいんやろうか、の日々の暮らしが見えてくるのです。
そういった描写の後で、決め台詞が生きるのですよね。
「落語を思い出しとうないんやなくて、落語が楽しかったことを思い出したくないんやないの?」