第4週 小さな鯉のメロディ 第19回

喜代美、初出勤。小草若、登場。


小草若ちゃんのお目見えで、私にとっての「ちりとてちん」本編が始まりました。

第一週から第三週まではプロローグで最終週はエピローグ。

でも、今回DVDで小草若なしの週をゆっくり見直して、作品の面白さに感心したので、お許しくださいませ。


さて、半年間の放送(9ヶ月の撮影)のドラマを見ていると、最終回の決定稿が上がる前に撮っては流し、撮っては流していく連続テレビ小説は、本当に「ナマモノ」だと思いました。

もちろん、完全な順撮りでないし、序盤は入念な準備の上で作られていることは分かりますが、回を重ねるに従って、役者の動きやアンサンブルが成熟していくのが伝わってきました。

ここまで「ちりとて日記」を書いてきて、役者さんの演技に触れなかったのは、私は映像作品(映画やテレビドラマ)は演出が要で、役者は素材として見ているからです。

役者がどれほどのインスピレーションを得て芝居をしても、下手な解釈で芝居をしても、その生殺与奪の権利は製作側。

だから、演技が上手いと役者に感心するのではなく、その演技を引き出した脚本と選択した演出に感嘆するのです。

ただ、「ちりとてちん」に関しては、役者自身の色を強く感じました。

幕が上がれば舞台は役者のもの、という言葉が思い出され、舞台を観ているように私もテンションが高くなっていました。

カメラのフレームに入っていない部分でも、ずっと芝居が続いているような気がして、じっと眼を凝らしてしまう。


テレビドラマでそんな見方をしてたら疲れ果てる〜!