第4週 小さな鯉のメロディ 第20回

たによん寄席。「寝床」にて。


先日、NHK大阪の「ぐるっと関西おひるまえ」で桂よね吉さんが落語家の内弟子修行について、話してらっしゃいました。

よね吉さんの場合は、大師匠の桂米朝さんのお宅で3年間住み込んで、落語漬けの生活。

大師匠の落語会がある日のタイムスケジュールを見ると、1日24時間の内、睡眠時間を合わせても4時間半しか自由時間がありません。

家事や付き人業務、大師匠との夕食、生活全てが落語に結びつく、素晴らしいけど大変な暮しです。

落語のお稽古をみてもらうのは本来の師匠である桂吉朝さんで、よね吉さんは師匠のお宅に行かれたり、また、師匠が米朝さん宅に来られてのお稽古もあったそうです。

日々の師匠方は自分の高座があるから当然のように忙しく、内弟子だから毎日一緒にいても落語合宿特訓というわけではありません。

けれども、内弟子修行は、日常の些細な事全てを落語のために捧げても生きていける人間かどうか適性をみる期間として、大切なんでしょうね。

師匠とそれを乗り越えた弟子との関係は「親子以上」「血より濃い絆」と、よね吉さんはしみじみと語りました。



翻って、「ちりとてちん」の弟子達の内弟子生活はどうだったのかな。

喜代美と小草々くんのときに少し描かれたくらいで、あまり出てきませんでしたね。

もっと見たかったです、特に回想シーンで小草若ちゃん。

親子→師匠と弟子→「親子以上」には、年季が明けてもたどり着けてなかったような。



それから内弟子というシステムの経済的な問題。

弟子は無給で、落語と関係のないアルバイトも時間的にも無理。

ということは、生活の面倒を一切師匠がみるということになります。

これは師匠の方に非常に経済的負担がかかるはず。

上手いだけでなく人気があって収入のある落語家さんでないと、弟子はとれないものですね。



だから草々が高座に上がれない師匠について、身の回りの世話をしている状況は、菊江さんじゃないけど「どうやって食べてるの?」ということになります。