「寝床」にて
「ビール百本!」「何がええ?フォアグラか?」「焼きおにぎり百個!」
ああ、懐かしい。
喜代美は小草若が友春に似てると思った瞬間、小草若を"対象外"に分類しちゃっただろうな。
あほで優しいお兄ちゃんとしか見られない。
草々さんにはよう聞かん草若師匠の過去のことも、小草若ちゃんには尋ねることができる。
高座すっぽかし事件を語る小草若に物言いたげな菊江さん、その後の借金踏み倒し事件に驚く磯七さん。
菊江さんの「あの二人どうやって食べてるの?」という問いかけに、小草若は喜代美が昼間に見た草々の行動をそのまま説明した。
それだけでは生活できないはずだから、多分日払いのバイトなどもしてるんじゃないかなと私は思います。
師匠が現役の時みたいに付き人をしなくていいから。
師匠は…、小草若ちゃんが実際はお金の面倒をみていたかも。
「寝床」でツケを払っていたように、こっそり実家の神棚にお金を置いて帰ったりしてたのでは。
師匠に腹を立てていても、親が金に困っていて余所に迷惑かけていたら息子としては知らん顔できないでしょう。
小草若ちゃんならば。
さらに草々さんのことも、落語家生命が断たれる、と本気で心配していた。
他人の痛みや苦しみを敏感に感じられる人だから、小草若ちゃんは喜代美に優しいんだろうと勝手に私は思います。
ただ、その表現に照れがあるから、「底抜けに〜、シーユーアッゲン」とかやっちゃうんだ。