糸子からの電話

「電話の一本もよこさんと…」といった、ありきたりの文句で始まる母からの電話。

塗箸店は雑誌掲載のおかげで繁盛しているという。

居間のテレビに小草若が映り、興奮する糸子。


糸子さんは最初から「小草若ちゃん」と 呼んでましたね。

そういえば、今は師匠と呼ばれるような人たちも若いころは「鶴瓶ちゃん」「さんまちゃん」と呼ばれていたような。


糸子が小草若と比較して草々を軽んじるような言い方をしたことに、喜代美は立腹し、草々に散髪屋の落語会に出るよう頼みにいった。


ナレーションであったように、それまでの喜代美にはなかった行動でした。

自分以外の誰かのことを思って、何かをやってみるなんて、第一週の父と祖父の喧嘩のときからなかったのではないかな。

喜代美の心を突き動かしたのは、草々の師匠が好きで落語が好きという気持ちのストレートな表現。

それに、喜代美は草々の経済的にも精神的にも苦しい立場がはっきり分かるので、同情したのではと思います。

小草若ちゃんが売れっ子タレントで、実の親である師匠に悪態をついていても、辛い心情であることを知っている人間が、この回の時点で草々、師匠、菊江さんの三人しかいないのだから、喜代美がなんとも思わなくても仕方ない。

喜代美は、清海、友春、小草若といった表面は明るく屈託のない人の内面を思いやることができるには、まだまだ未熟なのでありました。