スピード失恋


草々は清海に恋をして、喜代美は思いがかなう夢が破れたままで草若邸に下宿し続ける。

喜代美は草々の様子をみかねて清海に草々への気持ちを聞くが、清海は草々に特別な感情はないようだ。

清海は芸能事務所にスカウトされていて、今はそちらに関心が向いているらしい。

半年が経ち、草々は久々の高座に「次の御用日」を選び、稽古をしていた。

その様子から喜代美は草々の思いが続いている事を悟り、いたたまれなくなる。



清海の告白は、本人にとっては自分の負い目を軽くするためのものだったのかな。

だったら、草々がどう受け取るかは問題ではなかったのかもしれない。

間違った情報で勝手なイメージを作らないでほしいと彼女が思ったなら、一つ殻を破ったようなんだけど、それは草々にだけはという特別な思いはこの時点ではなかったのでしょうね。


草々の浮き世離れした、つまり現実の女の子に対する免疫のなさが、恋に繋がってしまったか。

初恋の人は、落語「wikipedia:次の御用日」の、とおやん、だと、草々は師匠に言われているくらいだもの。

草々からみると、女の子はか弱くて守ってやらなければならないもの、という定義が清海にはあてはまり、喜代美にははまらない。

喜代美は草々に対して、物おじしたところが最初からなかったからね。


ところが、小草若は、出会ったときの喜代美を父の愛人と勘違いしたように、女の子として最初から見ている。

小草若にとって喜代美は、田舎から出てきて、必死に背伸びして頑張っている、かわいい女の子なんだな。



さて、いたたまれない喜代美は半年振りに、おじいちゃんの命日を渡りに船と里帰りするのでありました。

以下、次回に続く。