実家に癒やしは無くて


草々の近くにいるのが辛くなった喜代美は実家に里帰りした。

しかし、半年前の景気の良さは無く、イライラ、ギスギスした雰囲気だ。

雑誌に掲載されて、箸が飛ぶように売れていたのは一時のビーム、もといブームで、和田家は経済的に困窮していた。


こういうエピソードは、何とも言えずうなずいてしまうのです。

自分勝手に出て行った家だけど、出て行った先で嫌なことがあると、甘えたくなる。

でも、実家にはもう自分の知らない生活があって、昔のままではない。

離れていると、自分の都合のいいことしか思い出さないし、その時の自分のことばかりに気をとられていると、向こうの様子まで気を配れないよねぇ。

ほんとに若いということ、子どもであるということは、自分に甘くて他者に残酷なもので。