実家に癒やしは無くて
草々の近くにいるのが辛くなった喜代美は実家に里帰りした。
しかし、半年前の景気の良さは無く、イライラ、ギスギスした雰囲気だ。
雑誌に掲載されて、箸が飛ぶように売れていたのは一時のビーム、もといブームで、和田家は経済的に困窮していた。
こういうエピソードは、何とも言えずうなずいてしまうのです。
自分勝手に出て行った家だけど、出て行った先で嫌なことがあると、甘えたくなる。
でも、実家にはもう自分の知らない生活があって、昔のままではない。
離れていると、自分の都合のいいことしか思い出さないし、その時の自分のことばかりに気をとられていると、向こうの様子まで気を配れないよねぇ。
ほんとに若いということ、子どもであるということは、自分に甘くて他者に残酷なもので。
第5週 兄弟もと暗し 第27回
実家に癒やしは無くて。小草若と草々。
「ぐるっと関西おひるまえ」が高校野球のため休みで、激しくもっぴー不足。
なんて言っている間にオリンピックまで始まった。
「ぐる関」はもっぴーだけでなく、よね吉さんや添田さん、リポーターの皆さん、そして番組そのものの空気が、いつの間にか早めの昼ご飯時の楽しみになっていたのです。
テレビは気晴らしのために見るものだから、情報量が多すぎて頭が疲れる番組や殺伐とした番組は見たくないのです。
でも、「ちりとてちん」の情報量の多さは、平気ですよ。
おもろいから。
そういえば、「ニュースアンカー」の方は私、ほとんど見ません。
あれはかなり、茂山さんに負荷がかかっているように感じられて、見てる方が肩凝ってしまう。
どちらの番組も見られる地域に住んでいて、片方は見ないというのは、他の地域にお住まいの方々には申し訳ないような気持ちがするんですけれど。
「ぐる関」のユルさが苦手で「アンカー」の緊張感が好きな方もいらっしゃるでしょうから、お互い様ということです。
スピード失恋
草々は清海に恋をして、喜代美は思いがかなう夢が破れたままで草若邸に下宿し続ける。
喜代美は草々の様子をみかねて清海に草々への気持ちを聞くが、清海は草々に特別な感情はないようだ。
清海は芸能事務所にスカウトされていて、今はそちらに関心が向いているらしい。
半年が経ち、草々は久々の高座に「次の御用日」を選び、稽古をしていた。
その様子から喜代美は草々の思いが続いている事を悟り、いたたまれなくなる。
清海の告白は、本人にとっては自分の負い目を軽くするためのものだったのかな。
だったら、草々がどう受け取るかは問題ではなかったのかもしれない。
間違った情報で勝手なイメージを作らないでほしいと彼女が思ったなら、一つ殻を破ったようなんだけど、それは草々にだけはという特別な思いはこの時点ではなかったのでしょうね。
草々の浮き世離れした、つまり現実の女の子に対する免疫のなさが、恋に繋がってしまったか。
初恋の人は、落語「wikipedia:次の御用日」の、とおやん、だと、草々は師匠に言われているくらいだもの。
草々からみると、女の子はか弱くて守ってやらなければならないもの、という定義が清海にはあてはまり、喜代美にははまらない。
喜代美は草々に対して、物おじしたところが最初からなかったからね。
ところが、小草若は、出会ったときの喜代美を父の愛人と勘違いしたように、女の子として最初から見ている。
小草若にとって喜代美は、田舎から出てきて、必死に背伸びして頑張っている、かわいい女の子なんだな。
さて、いたたまれない喜代美は半年振りに、おじいちゃんの命日を渡りに船と里帰りするのでありました。
以下、次回に続く。
第5週 兄弟もと暗し 第26回
スピード失恋。
「ちりとてちん」の時間の経過は、小拍子を打つみたいにパンパン飛びます。
第一週、喜代美、小学三年生。
第二週、喜代美、高校三年生。
第三週〜第九週、喜代美、高卒後一年(19歳)
という流れですが、この第26回で足かけ半年飛んでました。
喜代美の部屋のカレンダーが1992年の5、6月を示して、次に、草々の黒タンクトップ姿、蝉の鳴き声という夏の描写が 挿入され、その後、カレンダーが9、10月を示す。
あ、半年経ったんだ。
なんて、正座してテレビを見ていないと分からない。
後からナレーションで、半年経っても…、と入りますが、ナレーションだけでは唐突な感じがあるし、本当に目と耳を拘束されるドラマです。
化石の真相を告白
実は草々が恐竜マニアであったことから、清海が化石の発見者として新聞に載っていたことを思い出し、草々は清海に関心を持つ。
喜代美は大慌てで、順子や奈津子さんに相談するのが可笑しい。
順ちゃんには、高校であれほどもてた清海を草々さんが好きにならないはずはないと愚痴る。
だけど、高校のころの堂々とした清海のままだったら、草々は彼女を好きにならなかったと私は思うけど。
奈津子さんは清海を「肉じゃが女」つまり、男に媚びる計算高い女と仮定して、恐竜の化石の真相を草々に教えろと焚き付ける。
清海を「肉じゃが女」と喜代美は思わないが、草々の関心をそらすことができるかもと考えて、化石の件を話そうとしたのでしょう。
けれども、大学の先輩に絡まれた清海を通りかかった草々が助ける事件があったり、(ここで清海が「ボタン付け女(笑)」になっていた)、喜代美の知らない間に二人の距離は近づいていく。
そして、清海自身による真相の告白。
清海が自分の殻を破り始めた瞬間で、草々には自分をさらけだしたいという無意識の思いの表れだったように感じました。
草々に恋をしたかどうかは、この時点では清海自身分かってないでしょうけれど。
第5週 兄弟もと暗し 第25回
化石の真相を告白。
今になって見ると、清海がかわいくてしかたない。
田舎ではヒロインだった少女が、都会で違和感を感じて揺れ動く様子がいじらしい。
喜代美が大阪での居場所を見つけつつあるのに、清海は居場所が見つけられず、喜代美に会いたがっていた。
ただし、喜代美から見ると、清海は小浜にいたときの自分を思い出させる存在で、清海が光なら自分は影というイメージを引きずっているから、清海の寂しさなんて思いが及ばない。
喜代美は清海が嫌いなのではなくて、清海と自分を比較しては自己嫌悪に陥る自分が嫌だということだから、清海と距離を置きたい。
嫌な自分に向き合うという話は後に出てきますが、清海を避けることは嫌な自分から逃げるということで、清海が存在する限りいつまでも逃げ続けなければならない。
逆に、清海は小浜時代を懐かしむ気持ちがあり、また、大阪に来てからの喜代美の活力に憧れているから、会いたがる。
なんだか切ない片思いだなぁ。